自作にしろBTOにしろ、PC初心者が分かりづらいのがマザボ。890とか860とかあるけど何が違うのって感じ。そこで初心者にも分かりやすくかみ砕いて違いを説明します。(この記事は初心者向けです)
マザボのスペックの見方
まず、Z890とB860の違いは何か。
価格はZがハイエンド。Bがミドルレンジの価格帯。
そしてZ890はオーバークロック(OC)できます。OCとは消費電力や発熱量とともに性能を上げるもの。ただしメーカーが保証している状態から外れるので、壊れやすくなったり高負荷になったりします。
この二つが大きな違いです。
項目 | Z890 | B860 |
---|---|---|
グレード | ハイエンド | ミドルレンジ |
オーバークロック | 可能 (CPU・メモリ) | メモリのみ対応、CPUは不可 |
PCIeレーン数 | 多い | 少ない |
マルチGPU | あり (SLI/CrossFire) | なし |
SATAポート数 | 多め | 標準的 |
USBポート数 | 多め | 標準的 |
Wi-Fi/Bt | 一部モデルで標準搭載 | 基本的に非搭載 |
ユーザー | ゲーマー | 一般ユーザー |
価格 | 高め | 比較的安い |
じゃあOCできた方が良いのか。ぶっちゃけそんな使いません。最近のCPUは性能が高いので、わざわざいじる必要がないです。
ここまでが耐久性に関わることです。
重要なのはむしろ上の表3つ目以降。
PCIeはレーン数が多いと、m.2 SSD(NVMe)がたくさん差せたりします。今ストレージと言えばこれが一番主流ですね。
SATAは従来のSSD(SATA)やHDDの差せる数。こちらは安く買えるけど破損しやすいので時代とともにそのうち消えていくでしょう。
そのほかUSBやwifiが標準搭載されてるかなどが上位モデルで異なります。
Z890とB860、Z890とZ790の違い。全モデル比較
Z890 | B860 | |
---|---|---|
ソケット | LGA1851 | LGA1851 |
CPU | Core Ultra(シリーズ2) | Core Ultra(シリーズ2) |
オーバークロック | CPUおよびメモリのOC対応 | メモリ: OC対応、CPU: OC非対応 |
CPU側PCIe 5.0レーン | 1×16 + 1×4 | 1×16 + 1×4 |
CPU側PCIe 4.0レーン | 1×4 | 1×4 |
チップセット側PCIeレーン | PCIe 4.0:24本 | PCIe 4.0:14本 |
合計PCIeレーン数 | 48本 | 38本 |
USBポート数 | 最大14ポート(USB 3.2 Gen 2x2:5ポート、USB 3.2 Gen 2x1:10ポート、USB 3.2 Gen 1x1:10ポート、USB 2.0:14ポート) | 最大14ポート(USB 3.2 Gen 2x2:2ポート、USB 3.2 Gen 2x1:4ポート、USB 3.2 Gen 1x1:6ポート、USB 2.0:12ポート) |
SATA 6Gb/sポート数 | 最大8ポート | 最大4ポート |
Wi-Fiサポート | Wi-Fi 7 | オプションでWi-Fi 7対応 |
Thunderbolt 4サポート | 標準サポート | オプション対応 |
先ほどの説明見てくれると、難しい用語も良く分かるかと思います。
まぎらわしいんですが、ここに書いてあるPCIeレーン数やUSBポート数は最大値です。メーカーによってはこれより少ない場合もあります。さらにメーカーが出してるモデルもZ890の上位版、下位版などと言う形でランク付けされてるので、本当に物によります。(ここが分かりづらいところかも)

あと、PCIeのCPU側とチップセット側ってなんだ?って思った人。とりあえずグラボ(x16レーン使う)はCPU側に差すと思えばOKです。

残りのCPU側PCIe1x4がはドライブCに使うM.2 SSDを指す。m.2 SSDを追加するならチップセット側に差す。というイメージです。
Z890 | Z790 | |
---|---|---|
ソケット | LGA1851 | LGA1700 |
最大メモリ | DDR5 5600 | DDR5 5600 / DDR4 3200 |
CPU世代 | アローレイクS | アルダーレイク-S / ラプターレイク-S / ラプターレイク・リフレッシュ-S |
PCIe 5.0(CPU) | x20 | x16 |
PCIe 4.0(CPU) | x4 | x4 |
PCIe 4.0(チップセット) | x24 | x20 |
PCIe 3.0(チップセット) | 0 | x8 |
イーサネット + WiFi | 1G + 2.5G + WiFi 7 | 1G + 2.5G + WiFi 6E / 7 |
前モデルZ790とも比較します。
といってもこの二つはソケットが違うので、そもそも使えるCPUが違います。
その辺良く分からんって人は後述してます。
項目 | B860 | B760 |
---|---|---|
ソケット | LGA1851 | LGA1700 |
CPU | Core Ultra(シリーズ2) | 第12・13世代 Intel Core CPU |
オーバークロック | メモリのみ | メモリのみ |
CPU側PCIe | PCIe 5.0:1×16 + 1×4 | PCIe 5.0:1×16、PCIe 4.0:1×4 |
チップセット側PCIe | PCIe 4.0:14本 | 最大14本(PCIe 4.0および3.0) |
USB | 最大12ポート・USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps):最大2ポート・USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps):最大4ポート・USB 3.2 Gen 1x1(5Gbps):最大6ポート・USB 2.0:最大12ポート | 最大12ポート ・USB 3.2 Gen 2x2(20Gbps):最大2ポート・USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps):最大4ポート・USB 3.2 Gen 1x1(5Gbps):最大6ポート・USB 2.0:最大12ポート |
SATA | 最大4ポート | 最大4ポート |
Wi-Fi | Intel Wi-Fi 6E AX211(Gig+) | Intel Wi-Fi 6E AX211(Gig+) |
最後にB860とB760。ちなみに前世代まではHシリーズとかありましたが、今はなくなってます。
CPUソケットの見方
CPU世代 | ソケット | 例 | |
---|---|---|---|
2世代Core Ultra | LGA1851 | 800番台 | Z890/B860/H810 |
14世代 | LGA1700 | 700番台 | Z790/H770/B760 |
13世代 | LGA1700 | 700番台 | Z790/H770/B760 |
12世代 | LGA1700 | 600番台 | Z690/H670/B660/H610 |
11世代 | LGA1200 | 500番台 | Z590/H570/B560/H510 |
10世代 | LGA1200 | 400番台 | Z490/H470/B460/H410 |
intelは毎回2~3世代ごとにソケットを変えています。
要はCPUはめるときの形です。マザボとCPUの世代はマッチさせないといけません。

intel800番台マザボですが、2世代Core Ultra以降でマッチするCPUと組合わせることになります。
14000番台より前のCPUは使えません。
良いマザーボードとは。拡張性と耐久性
おし、数字の見方は分かった。でもそもそも良いマザボとは何か良く分からんって人。初心者ならいるんじゃないでしょうか?
グラボやCPUはFPS値やベンチマーク出れば良い物ってことになりますが、実はマザボを計る指標てのはないんです。
じゃあどこで良し悪し決めるかって言うと、拡張性と耐久性が大きな指標となります。
拡張性はさっき話した、どれくらいM.2 SSDやHDDを差せるか、USBポートが充実しているか。wifiは標準でついているか。など。
もう一つが耐久性。これは発熱しずらさだったりも含まれてます。
例えば、良いマザボは良いヒートシンク使ってるので、熱にも強い。見た目で判断するなら、ゴツイ傾向にあります。


(価格は撮影時のもの)
これ見ると、どっちが高いか一目瞭然じゃないでしょうか?なんか白いシマシマの方がごついしポート数もめっちゃあるし...。大体そんな感じで見極めることができます。
そして最も重要なマザボの選び方ですが、以下の順で重要な要素です。
- オーバークロックするか
- 手持ちの予算に合うか
- m.2やUSBがどのくらい必要か
- 見た目
実のところ、最近のマザボは優秀なので安いやつでもそこそこ動きます。
確かに長時間ゲームするなら上位マザボのが安心ですが、別にB760とかでも普通に動くんですよね。
なので、まずオーバークロックするか決める。(多くの人はどっちでも良いと思いますけど)
それから予算を見る。マザボは無理して高いの買わなくて良いです。特に初心者のうちはあまり拡張しないでしょうし。
ポート数はあるに越したことはありませんが、外付けで拡張できないこともないです。まあ面倒なのであるに越したことはない。って感じ。
僕は未だにASRockのSteel Legend使ってます。