Zotac(ゾタック)といえば廉価グラボメーカーの一つです。以前なら安いBTOパソコンはZotacが使われていました。安いなら評判が悪いし壊れやすいメーカーか?そんなことはないです。なぜならZotacが安いのはデザインを統一しているから。品質の問題ではありません。また、最近のZotacは”デザイン統一&安い”だけではなく、ちょっと商法が更新されているようです。
この記事の結論
- デザインを統一しているから安い…だったが最近は様子が違う
- サポートは廉価メーカー標準レベル
- Palit、玄人志向あたり廉価メーカーと比較して安いなら買い
Zotacグラボ 評判悪い?壊れやすい?→「なぜ安い?」はシンプルだから
Zotacはなぜ安い?
廉価グラボメーカー=品質が悪いと思いがちですが、グラボに限って言えば安かろう悪かろうではありません。
異様に安ければ考えモノですが、なぜ安いかの原理が納得できるなら企業努力と見るべきです。
Zotacの場合、デザインを統一することで生産コストを削減しています。
当たり前ですが、色々な種類を作れば作るほど生産ラインが増え、コストは増加するわけです。
ご覧の通り、1000番台と2000番台は全く同じ形をしています。
こうして価格を抑えているわけですから、品質が悪い=安いというわけでもないんですね。
RTX3070番台まではこんな感じです。
でも最近はラインナップの充実化が図られている
風向きが変わったのが、RTX3070Ti以降です。
3070番台まではファンが2基。
主に小型グラボの立ち位置だったのですが、3070Ti以降はファンが3基になりました。
また、Trinity、Holo、Extreme Holoと3つのラインナップができました。
この辺りの売り方はASUSでいうTUFとかROGとかと同じになったわけです。
さらに最近は高級志向なのか、水冷グラボまで生産されています。
真ん中のArcticStormというのが水冷グラボです。
2000番台では5、6種しかなかったのに、公式サイト表示で3080はなんと12種類あります。
こうすると次に考えるのは、「Zotacって廉価メーカーじゃなくなった?」の疑問です。
依然、廉価メーカーの立ち位置
廉価メーカーか高価格メーカーか見分けるのに、同機種のブーストクロックを比べて見るのも一つの手です。
中身がRTX30XXと同じだった場合、グラボの指標であるCUDAに違いは出ません。
違いが出るのがブーストクロックです。
各メーカー 廉価モデル10G比較 (RTX3080)
ASUS TUF-RTX3080-10G-GAMING | MSI GeForce RTX 3080 VENTUS 3X | ZOTAC GAMING GeForce RTX 3080 Trinity |
1740MHz | 1740MHz | 1710MHz |
高価格メーカーであるASUSやMSI比較ですと、同じ廉価モデルでも若干ブーストクロックが見劣りします。
同じグラフィックチップでも差が出るから、高価格帯と廉価メーカーの区分けができるわけです。
バリエーションは増えたものの、Zotacは依然として安いメーカーの立ち位置と思って良いでしょう。
Zotacグラボの種類
前述のとおり、今までは画一的だったZotacも3070Ti以降は種類があります。
当然上位モデルの方が価格が高く高性能です。
ランクで言うと、ArcticStorm>Extreme Holo>Holo>Trinityという流れです。
ArcticStorm
高級グラボとして送り込まれたのがこの水冷グラボArcticStormです。
水冷のため、空冷用のファンがありません。
また、ファンレスのため、サイズもHoloやTrinityと比べて省スペース化。
RTX3080のサイズ
ArcticStorm → 301.3mm x 159.6mm x 29.2mm / 11.7" x 6.3" x 1.1"
Holo Extreme → 355.9mm x 145.7mm x 59.7mm / 14" x 5.7" x 2.4"
Triniry → 317.8mm x 120.7mm x 63mm / 12.5" x 4.8" x 2.5"
縦軸がわずか29.2mmしかありません。HoloやTrinityの約半分です。
ただし、価格は倍以上します。また、水漏れも警戒しなければなりません。
一長一短のグラボと言えるでしょう。
Holo、Extreme Holo
Zotacの上位モデルExtreme HoloとHolo(無印)です。
この二つで一番違うのはブーストクロック。
RTX3080比較で言うと、
Holo Extreme → 1785MHz
Holo → 1710MHz
しかし、推奨電源容量はHolo Extremeの方が重いです。
Holo Extreme → 800W
Holo → 750W
もちろん他にも細部の違いはありますが、大まかにこの二つが違います。
正直800W必要なら、下位のHolo(無印)の方が効率的かな?と思ったりします。
ちなみにHoloシリーズは「AMP」という名前がついています。
よくアンプって音響機器にありますよね。あれはAmplify=(音を)増幅させるの意味で使われています。
Zotacにおいては速度向上、冷却機能強化されたグラボにAMPという称号が与えられるようです。
Trinity
一番選択肢に入りやすいのが、このTrinityです。
とにかく一番安いですから。
Holoとの比較はブーストクロックを重視するか。
する → Holo
しない → Trinity
この点だけ着目すれば大丈夫です。
正直ブーストクロック率を上げるなら、もうちょっと予算を出してRTX30XX番台を上げた方がコスパは良いです。
あとは相場的に安くなっているか、デザインは問題ないか、などを気にすれば良いでしょう。
他メーカーとの比較を見る場合はこちらの記事を参照してください。
安くて比較が面倒ならアリのメーカー
GTXを買うなら
GTXモデルを求めるなら、非常に分かりやすいラインナップです。
LHR版?OC版? ブーストクロックは? 何GBがいいの?
なんてグラボオタクの声をうるさく感じるなら、Zotacの分かりやすいグラボを買うのもアリです。
GTX何番台かだけ指定すれば、そこまで雑多な選択肢はありません。
というか、上記の要素ってぶっちゃけ体感では分かりません。買って自分が満足いくかの問題です。
RTXを買うなら
RTX以降を買うなら、結構色々なモデルがあるので検討が必要です。
ただし、推奨電源量量は良く見てください。
持っている電源ユニットで使えるか確認する必要があります。
もし、「そこそこしかゲームしない」、「時々使うけどオーバークロックとか興味ない」程度であればTrinityで充分です。
比較対象は玄人志向やPalitの廉価モデルとですが、正直中身はあまり変わりません。
チップの番数が同じなら、安い方を買う方がコスパは良いです。
また、可能なら新品同様のアウトレット品を狙うのも賢い買い物でしょう。