amdとintelならノートパソコン選びでどっちがいいCPUなのか性能比較します。スペック表もryzen独自でややこしいので解説。また、大学生・ビジネス・ゲーム用途のおすすめも紹介します。
この記事の結論
- ゲーム・クリエイター要素はH、それ以外の10万以下ならUのPCを買う
- AMDのスペックはマジ見づらい。アーキテクチャが複雑
- AMDの廉価モデルは安くてコスパ良い
INTELはシングル性能が高くゲーム向き
ryzenノートcpu性能比較の見方
公式で分かりやすい表があったので、それに沿って説明します。
例 7640Uだったら…
7xxx → 発売年。(今まで同年に2シリーズ出てたりしましたけど)
x6xx → Ryzen3~9。IntelのCore iいくつに相当
xx4x → CPU世代(アーキテクチャ) 結構重要
xxx0 or xxx5 → 上位・下位モデルか
語尾 → TDP(最大消費電力の目安)
例に挙げた7640Uだと、"2023年発売のRyzen5の第4世代下位版で15-28WくらいのCPU"と言い換えられるのです。
xx4x部分のアーキテクチャはzen3とかzen4とかって言い方をします。結構重要です。
でも、ややこしい部分なので後述します。とりあえずベンチマーク表を見てください。
ryzenノートcpu性能比較
Ryzen7000シリーズ
まず、最新世代の7000シリーズです。
7945HXと7845HXはぶち抜けてます。30~40万クラスのノートに積まれているので、無視してよいです。
7735HSで15万~20万クラス。これもゲーミング用途以外では見る必要ありません。
一般層としては7735U~7320Uあたりが10万円そこそこか、10万以下のモデルなので、このへんを見ましょう。
つまり、語尾のアルファベットは、"HかHSはゲーミング用途"、"一般的な事務作業ならUで良い"という簡易的な見方もできます。
型 | CPU | CPUコア/スレッド(最大) | メモリ | |
---|---|---|---|---|
7045 | HX | Zen 4 | 16コア/32スレッド | DDR5 |
7040 | HS/U | Zen 4 | 8コア/16スレッド | DDR5/LPDDR5 |
7035 | HS/U | Zen 3+ | 8コア/16スレッド | DDR5/LPDDR5 |
7030 | U | Zen 3 | 8コア/16スレッド | DDR4/LPDDR4 |
7020 | U | Zen 2 | 4コア/8スレッド | LPDDR5 |
Ryzen6000シリーズ
6000シリーズは供給が少ないので、正直そこまで熱心に見なくてもいいです。
実際、価格.comでも6000番台の扱いは極端に少ないです。
正直6000シリーズって全然見ません。
内蔵GPUが強化されたもののモデルが少なかったので、6000は微妙な扱いを受けています。
Ryzen5000シリーズ
5000シリーズは廉価なノートPCに未だに積まれています。
安いものなら5~6万円台とかで、とにかく安いPCが欲しい人のチョイス先となっています。
ryzenは世代も見る。7735Uと7730Uには大きな壁がある
内蔵GPU比較
3D Mark Time Spy Graphics
GPU | スコア | 搭載例 |
---|---|---|
Radeon 780M | 2831 | Ryzen7840U |
Radeon 680M | 2313 | Ryzen6800U |
Iris Xe Graphics G7(96EU) | 1542 | Core i7 1260P |
Iris Xe Graphics G7(80EU) | 1169 | Core i5 1135G7 |
Radeon RX Vega 8 | 1161 | Ryzen5700U |
Radeon RX Vega 7 | 1027 | Ryzen5500U |
現在IntelはIrix Xeという内蔵GPUが積まれていますが、Radeon700Mや600Mシリーズ比較では太刀打ちできません。
「Radeon 680M」のゲーミング性能はGTX 1050 Ti(モバイル版)、「Radeon 780M」に至ってはGTX1650Ti並みと言われています。
ただし、この辺のクラス買うってなると10万円越え。グラボ搭載モデルが多くなるため、内蔵GPUの必要性が薄れます。
一方でRadeonの廉価モデルに積まれているVegaは性能的にパッとしません。
しかもAV1デコード不可です。
下位モデルはAV1デコード不可
AV1とは、最新ビデオコーデックのことです。早い話が、動画って結構重いので、コーデックによって圧縮されています。
以前はH.264(動画編集者は良く見るかも)、次にH.265、さらに先にある圧縮率が高いのがAV1です。
amazonやgoogle、アップルやNetflixなど、超大物企業はみなAV1に置き換えています。
これに対応していると、以前よりもっと高速かつ高画質に動画が楽しめるよねって話。
一方、対応していないとCPU処理になるので負荷もかかるし、なにより遅いです。
じゃあどれがAV1に対応してるのって話ですが、ここで最初に出たアーキテクチャです。
"XX30"か、"XX35"かで値段が跳ね上がります。
例に出すと、Ryzen7 7735Uと、Ryzen 7730Uは全く別物ということです。
AMDのCPUスペック見づれえ。複雑なアーキテクチャの見方
訳分らんことに、7000シリーズでは複数の世代が混在することになりました。
6000番台なら全てZen3+だったのですが、7000はzen2-4世代がごちゃまぜ。
命名に苦労する話はIntelでもNvidiaでもありますが、今回の命名は特に最低です。
上記画像は最大コア・スレッド数やキャッシュが違うことを示しています。
で、どんな内蔵GPUを積んでいるかは世代によって異なります。
番数 | 世代 | GPU |
---|---|---|
7045 | Zen4 | Radeon 700Mシリーズ |
7040 | Zen4 | Radeon 700Mシリーズ |
7035 | Zen3+ | Radeon 600Mシリーズ |
7030 | Zen3 | Radeon RX Vega |
7020 | Zen2 | Radeon 610M |
Vegaシリーズ以下は、AV1デコードに対応していません。
まともな内蔵GPUのモデルを買いたいなら、下2桁が"35"以上を買うことになります。将来性がなくても安いやつがいいなら、"30"以下。この境目で10万円超えるか超えないかが変わります。
世代別搭載例
■ZEN 4
Ryzen 7 7945HX・Ryzen 7 7845HX
■ZEN 3+
Ryzen 7 7735U・Ryzen 5 7535U
■ZEN 3
Ryzen 7 7730U・Ryzen 5 7530U・Ryzen 3 7330U
■ZEN 2
Ryzen 5 7520U・Ryzen 3 7320U
amdとintelどっちがいいノートパソコン?大学生・ビジネス・ゲーム用途別比較
- 廉価モデルは同性能ならAMDの方が安い(割と買い替える前提)
- ゲーム(シングル)性能はIntel優勢
- 高価格帯はGPU面でAMD有利。でもグラボ積むならいらんかも
- コア数はIntel優勢。でもコア数ほど性能差はでない感じ
廉価モデル比較
安価なPCを買うならAMDの方が優勢です。
同性能で比較した場合、数万程度安い傾向にあります。
ただし、前述したAV1に対応していないので、将来性見越さない・そんな機能気にしないとか、そのうち買い替えるしって人向けです。
一方、デスクトップCPUと同じでIntelはシングル性能面で高い傾向があります。
また、コア数もIntelの方が多いです。ただし、Eコアでマシマシにされている面もあり、数値ほど性能差はでないでしょう。
(Eコア = 高効率コア。ざっくり言うとPコアよりも小型で、少ない消費電力で動くが、弱い)
Intelは12世代Uの場合、Pは2コア、Eが4~8コアで、見栄えほどベンチマークは伸びません。
Pコア | Eコア | ||
---|---|---|---|
第12世代 P | Core i7 | 4~6 | 8 |
Core i5 | 4 | 8 | |
Core i3 | 2 | 8 | |
第12世代 U | Core i7 | 2 | 8 |
Core i5 | 2 | 8 | |
Core i3 | 2 | 4 |
それから、高価格帯ですが、内蔵GPUの面でAMD有利があります。
高価格軽量型を求めるビジネス用途であれば良いチョイスになるでしょう。
とはいえ、この価格帯だとグラボ積んでゲーム・クリエイター要素を求める需要があるので、内蔵GPUを使わない層には大きなメリットとは言えません。
【大学生】→ AMD (予算少なめの大学生向け)
【ビジネス用途】→ AMD (軽量高価な内蔵GPU型が良い感じ)
【ゲーム用途】 → Intel (シングルコアが高く、ゲームに有利)
【省電力】 → AMD (インテルより省電力に長けている)
ざっくりまとめると、上記のようになります。
中間層は選択肢広いから好きなの買えって感じですね。