m3版 macbook airが発売しました。m2とそんな変わらない気がしますが、比較してどっち買うか解説します。
この記事の結論
- M2比較でM3はそんな変わらない。コスパはM2
- M3の向上は主にGPU。実用性は微妙
- m1からの乗り換えはアリ。m2からはナシ
- コスパ悪いとわかってても、結局m3買っちゃうかもね
Macbook Air M3は買うべきか。M2比較どっちか
M3 vs M2 スペック比較
Air M3 | Air M2 | |
---|---|---|
サイズ | 1.13 × 30.41 × 21.5 | 1.13 × 30.41 × 21.5 |
重さ | 1.24kg | 1.24kg |
プロセッサ | M3 | M2 |
GPU | 8コア 10コア | 8コア 10コア |
RAM | 8GB 16GB 24GB | 8GB 16GB 24GB |
画面 | 13.6インチ 2560 x 1664 | 13.6インチ 2560 x 1664 |
SSD | 256GB 512GB 1TB 2TB | 256GB 512GB 1TB 2TB |
ポート | Thunderbolt 3 × 2 オーディオジャック ×1 | Thunderbolt 3 × 2 オーディオジャック ×1 |
接続 | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.3 |
価格 | 164,800円 (税込)~ | 148,800円 (税込)~ |
スペック表上ではほぼ変わってません。M3で処理性能が若干アップしたことや、Wifi6E対応、M2の価格が下がったことくらいです。元々M2があった価格帯にM3が入り、M2が玉突きで値下がりしました。
てことは比較するなら、処理性能上どのくらいアップしたかだけ見れば良いわけです。
重要とされる高性能コアはM2から15%向上。
効率コアの方は30%向上とされています。
有名なベンチマーク指標であるgeek benchでは、それぞれ順当にアップしている模様。
これは全体の目安なので、実際に各ソフトを動かした場合を見てみましょう。以下、背景が白い画像がApple公式、グレーの方が外部のデータです。
出典 : Apple公式
出典 : medium.com
M3 vs M2 vs M1
まずiOS開発などプログラミングで使うXcodeは、ビルド(開発環境の立ち上げ的な)するときの時間がしっかり短縮されています。
それから動画編集。
こっちはM2比較ほぼ変わっていません。13倍ってデカデカかいてますけど、だいぶ前のintel CPU時代と比較してです。いわゆる当社比。Appleお得意の誇張グラフです。
別サイトによる検証だと、やっぱりM2&M3ではほとんど変わりません。
続いて画像処理。Light Roomとかですね。こちらは順当に性能が上がっているようです。
M2とM3ではややエクスポート時間の短縮が見られます。
次にゲーム。こちらもやや向上。ただしゲームやりたい層はmac買わないと思うので関係ないかもしれません。
別の検証によると、やはり数値はやや向上くらいのよう。
macの場合性能がどうこうより、対応してないの多すぎって話なので、そっちをなんとかしないと意味ないです。
そしてレンダリング性能。M3の目玉となっているのがこれです。レンダリングとはデータを演算して画像とかを表示すること。
例を挙げると3D CG制作のBlenderというソフトや、CAD等の性能向上が見込めます。
検証でもしっかりと時間の短縮が見られます。
3D系の作業をやっている人は、買い替え筆頭ということになります。
AIによる画質の高品質化です。やや向上といった感じです。
最後に、Neural Engine性能。Neural Engineは、機械学習(ML)や人工知能(AI)を高速に処理するときに必要になります。
M3固有のメリット
- GPUの向上
- 2画面出力可能
- Wifi 6E対応
- AV1デコード対応
- (ミッドナイト色の指紋対策)
GPUの新機能
今回一番の強化ポイントはGPU。以下の機能が追加されました。
- Dynamic Caching
- ハードウェアアクセラレーテッド レイトレーシング
- ハードウェアアクセラレーテッド メッシュシェーディング
名前だけ聞いても、なんじゃこりゃって感じですよね。簡単に説明します。
まず、リアルタイムでメモリの使用量を割り当てるのがDynamic Cachingです。これにより、タスクに必要な正確な量のメモリのみが使われるようになり、GPUの平均使用率が向上します。なんかこれ業界初らしいです。
また、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングで、正確な陰影と反射を描画・光の処理などを素早く処理します。
もういっこのメッシュシェーディングはジオメトリ処理(いわゆる座標の変換処理)を効率良く行うことで、より視覚的に複雑なシーンを表現します。
簡単に言うと、メモリ処理を適切に行い、レイトレやら複雑なシーンの処理が向上したよ、ってことです。
M3のGPUはM1と同じ性能を約半分の電力で実現しているらしく、ピーク時には最大65%高いパフォーマンスを発揮しているらしいです。
ただ、AppleはiPhone含めやたらレイトレを推してきますが、強化ポイントとしてはズレています。
前述のとおりいくら性能が上がっても、対応ゲームが増えなきゃ意味ないので、いやそこじゃねーよって感じです。
2画面出力対応
2画面出力ができるようになりました。
ただし、2画面出しているときはMac本体を閉めなければなりません。
Wifi 6E対応
6E対応です。6Eは要するに広くて速くて短い道路だと思えば良いです。
速度はWifi6 (5GHz)と変わりませんが、混雑具合が違います。また、5Gは気象レーダーや航空レーダーを検知すると60秒間停止してしまうDFSという仕組みがあるのですが、6Eはそういうのがありません。
ただし、家に6E対応ルーターが必要になりますし、5GHz以上に直線的で距離が短いというデメリットもあります。
AV1デコード対応
AV1デコードは配信とか動画視聴の際に役に立ちます。
動画って重いので、コーデックというもので圧縮されてます。H.264とかH.265(動画編集してる人は見たことあるかも)とか色々あるんですが、現状最新なのがAV1。すでにGoogleやNetflixのような大手企業はほとんど取り入れています。
対応していると品質を上げながらデータ量を削減でき、消費電力なんかも下がります。現在intelやamdノートPCでも安いモデルはAV1対応していません。
(ミッドナイト色の指紋軽減)
これはミッドナイトモデルに限った話ですが、指紋ベタベタ現象が軽減されているらしいです。
僕はスターライト買ったので実際どうか分かりませんが、気にならないレベルにはなってる、という話をよく聞きます。
ちなみに男性はミッドナイト、女性はスターライトを選ぶらしいです。でも別に男がスターライト買っても全然おかしくないと思います。
Macbook Air M3版 外観とレビュー
購入したのは512GB 16GBメモリのスターライト13インチairです。airなのに20万円越え。たっかい。
このパッケージすごく微妙です。airは毎度PCの側面が表紙なわけですが、今回はなんとM2と全く同じもの。多分変更したデザインと薄さを強調したいんでしょう。ダサいのでそろそろ変えて欲しいです。
デフォルトは30W USB-C 電源アダプタ、一定スペック以上を選ぶと35W デュアル USB-C ポート搭載電源アダプタ、70W USB-C 電源アダプタの中からアダプタを選べます。僕は当然70Wを選びました。
シャンパンゴールドに近い色で、非常に高級感があります。
キー配列もいつも通り。外観はM2macbookと何も変わりません。
一番左下って一番使うので、ほんとそろそろCaps Lockの位置変えてほしいです。commandと位置を逆にしてほしいところ。もっと言えば、command option controlの順で左下から並べて、caps lockはwinと同じcontrolの位置に飛ばしてほしい。
でも英語圏だと大文字使うのでCaps Lockは多用するってことなんでしょうね。日本語入力じゃ全然使いません。このへん言語による違いですし、appleは一度決めたことは曲げないので、変わることはないと思います。
当たり前ですが、僕は修飾キー変えて使ってます。
M2から継続でProと同じフラットデザインのままです。太く見えるけど、最厚部は従来デザインよりも薄いらしい。また、均一になったおかげで、設計上で部品の配置に自由が利くそうです。
でもこれあまり好きじゃありません。机から移動させようとする時つかみづらいからです。あと側面や底に隙間がないので、片手で持ちあげられません。これが非常に不便。
今までの先端にかけて細くなるウェッジシェイプの方が、見た目薄型に見えるし、片手で持ちやすかったんですけどね。設計上どうかは知りませんが、前の方が扱い易い。
一方で片手で開いても、本体が持ち上がらない設計は流石です。これ細かい指摘なんですが、多くのwindows pcだと片手で開けようとすると本体ごと持ち上がっちゃうんですよね。スタイリッシュさを求めるAppleのこだわりを感じます。
重さは約1.24kgが公式発表ですが、僕のはほんの少しだけ軽かったです。決して重くはないですが、windowsが13インチ1kg以下をバンバン出してるからことを考えると、もうちょっと軽ければなーという印象。
まあGPU性能はモバイル版RTX3050くらいあるらしいので、そう考えるとむしろかなり軽い方でしょう。でもそれはproに求めていることであって、airは12インチ1.1kgのintel cpu時代の方が扱いやすい気がします。
最近はproもairも似たような感じで、両者の差別化が微妙。いっそGPU性能捨ててでもairは軽量ビジネス、proがゲーミングノート的な立ち位置に分けたら良いと思うんですけどね。
Proとの大きな違いは重さやサイズ、あとは排気部分がないことですね。ファンレスは使い方によってはうるさくなくて最高です。
でも結局M3買っちゃうかも
発売直後の今、M2とM3の価格差は16,000円です。
ほとんどの人には影響のないGPUの進化なので、コスパ面ではM2買った方が良いでしょう。
でもM3も多少は処理性能が上がっていますし、たった16,000円差だったらみんなM3買うんじゃないでしょうか。
どうせなら新しい方って人の心理で、今更M2買うってよっぽど割り切れる人じゃないと無理だと思います。
ということで、M1からの買い替えならアリ、M2からはナシ、コスパならM2だけど、新規ならM3買うよねってことで帰結すると思います。
ちなみにメモリ8GBか16GBか悩む人は、悩むくらいなら16GB買えば良いじゃん。って感じです。macの8GBはwinの16GBに相当するとか言われてますけどね。