ASRock(アスロック)はASUSと並び、マザーボード2強の一つです。結論、壊れやすさや評判の良し悪しは変わらないです。ただし、ASRockには様々な種類のマザボがあり、そこは検討が必要です。
この記事の結論
- ASROCKとASUSは兄弟みたいなもの。熱心に比較するほどの要素はない
- IntelならB60台、AMDならB50台がおすすめ。
- PGとかSteel LegendとかはASRockマザボのグレード名
本記事は気さくなASRock公式ツイートさんが巡回済みです。(笑)
別に案件記事とかではないです。たまたまリプライがきました。
ASRock マザーボードシリーズの違いと評判 壊れやすいマザボか?
PG、Steel Legend、Taichiの性能比較
マザーボードを選ぶ際にチップセット番号・グレードを選ぶ必要があります。
例えば、「B550 Phantom Gaming」という商品があります。
B550はチップセット番号であり、Phantom GamingはASROCKが定めたグレードです。
グレードは大きく分けて、
Phantom Gaming(PG) <= PRO < Steel Legend < Taichi < Aqua
の順に高性能になります。
最近ではこれに付随してLive Mixerというモデルもあります。
Taichiに関しては規格がATXではなく、Extendedです。
要は大きめということですね。
Z790 DDR5 ATX版 比較
Steel Legend | LiveMixer | Pro | PG | |
---|---|---|---|---|
16X | 3 | 3 | 2 | 2 |
4X | - | - | - | - |
1X | - | - | 2 | 3 |
SATA | 8 | 8 | 8 | 4 |
M.2 | 5 | 5 | 4 | 4 |
M.2規格 | 2242/2260/2280 | 2242/2260/2280 | 2260/2280 | 2242/2260/2280 |
VRM | 16+1+1 | 14+1+1 | 14+1+1 | 14+1+1 |
S/PDIF | 〇 | 〇 | - | - |
DP | 1 | 1 | 1 | 0 |
USB | USB3.2 Gen2 Type-Ax1/Type-Cx1 USB3.2 Gen1 Type-Ax8 | USB3.2 Gen2 Type-Ax2/Type-Cx2 USB3.2 Gen1 Type-Ax4 USB2.0x6 | USB3.2 Gen2 Type-Ax1/Type-Cx1 USB3.2 Gen1 Type-Ax2 USB2.0x4 | USB3.2 Gen2x2 Type-Cx1 USB3.2 Gen2 Type-Ax1 USB3.2 Gen1 Type-Ax5 USB2.0x1 |
PCI-Express
グラボを差すスロットです。多いとそれだけグラボを差せます。
SLIと言って、複数グラボを差して性能アップを図ろう!みたいなこともあります。
ぶっちゃけ家庭用なら1台差せれば充分です。
SATA
SSDとかHDDなどを差す場所です。
こちらも2、3あれば余裕で足ります。
現在SATAではなく、m.2という規格でSSDを使うことが多くなったので、これから不要になっていくでしょう。
VRMフェーズ
VRMフェーズ数というのは、電気供給の回路数です。
簡単に言うと、多いと高負荷に耐えられますよ、ということです。
その後、記事を見たのか、ASRock Japanの公式ツイートで補足をしてくれました。
高すぎても部品数の多くなり、故障率上昇にもなるそうなので、回路数もバランスが必要だそうです。
DisplayPort
画面出力時に使います。
主流はHDMIですが、映像だけならこちらの方が質が高いと言われているのです。
正直デスクトップPCはグラボから出力するので、マザーボード側にはほぼ必要ありません。
オンボードLAN
有線LANの速度です。
10BASE-T(10Mbps)、100BASE-TX(100Mbps)から1000BASE-T(1Gbps)となり、
10Mbps,100Mbps,1000Mbps(=1Gbps)と進化を遂げてきました。
さらに上がTaichiに積まれている2500となります。
体感できるかと言われたらちょっと微妙なものです。
ASRockマザーボードシリーズの違い
PG(Phantom Gaming)
最も安い価格帯のモデルです。
正直家庭用であれば、ほとんどの方はこれで必要充分だと思います。
PRO
立ち位置的にはPGと似ています。
スタンダードな"PRO"とゲーミングブランドの"PG"と銘打たれています。
が、ぱっと見違いが分かりづらいです。
この辺りはASUSのTUFとPrimeに似ているかもしれません。
B550比較で言うと、PROの方が(無駄に)VGA出力できたり、USB GEN2ポートが2つついてたりします。
インターフェースが若干豊富な分、汎用性が高いと言われています。
安いマザボを求めているなら、PGかPROで安い&在庫のある方を買うのが良いでしょう。
Steel Legend
VRMフェーズ数が増えるので、より高負荷に向いています。
ハードゲーマー、クリエイターで仕事用途などがあれば選択肢の一つとなるでしょう。
ちなみに僕も買って使ってました。で、グラボの差込口がゆるくなって故障。単純に価格と性能だけで言えばかなりおすすめなんですが、壊れたら手放しにおすすめできないのが痛いところ。まあ運の良し悪しの要素が大きいですが。
LiveMixer
デザイン性と変態性を追求した最近出たモデルです。
23基ものUSBポートがあり、+12V電源レールから5Vに変換してUSBポートに供給することで安定性を高める「ULTRA USB POWER」ポート。
ゲーミングデバイス向けの「LIGHTNING GAMING」ポートがあります。
キャプチャする人や配信する人向けのポート類が充実したうえで、ファンキーなデザインが好きなら買いの一手です。
こいつも買いましたが、高いのが玉にキズ。性能面とデザインは文句なしです。
Taichi
価格が上がった分だけ恩恵を受けられるかというと、微妙なラインナップです。
物に寄りますが、VRMフェーズ数も一つ下のモデルから多少増えただけです。
AQUA
目新しい水冷マザーボードです。
最近はグラボもそうですが、水冷式というのが増えてきました。
確かに面白いのですが、個人的にこれ買う人いるの?という印象です。
なぜなら値段が通常のマザボから1つ桁が上がります。
僕が確認した2022年9月30日現在では、Z690比較で上位モデルのTaichiの3倍近く高いです。
ちょっと現実的ではありません。ならむしろグラボの水冷を買えば良いじゃんと思えます。
4Kと同じで、次世代で安くなったら普及するタイプでしょう。
IntelならB760、AMDならB650がおすすめ
続いてチップセット番号ですが、IntelならB760。AMDならB650がおすすめです。
理由として、一般家庭用途なら、無難な拡張性・機能を備えているからです。
上位モデルは拡張性あり過ぎて、絶対余ります。
もちろん上位モデルの方が耐久性は高いですが、体感できる部分が少ないです。
そのため、一番無難なところを選ぶのが良いという結論です。
僕はIntel第12世代時代はB660を使っていました。
動画編集するのでz790に乗り換えましたが、普通に使うならB760で必要充分と感じています。
ASRockとは何者?評判はいかに。壊れやすいかは考えるだけ無駄
ところでASRockってどんな会社か知っていますか?
勘の良い人はASUSと何か名前似てない?…と思うかもしれません。
その通りです。ASRockは元々台湾のASUSの子会社。そして2009年に完全に資本関係が消えました。
そのため、技術的面の根本はASUSと似ているのも無理ないわけです。
一時期は変態マザーとかいうぶっ飛んだ商品を出していましたが、今はASUSのように堅実な製品がラインナップされています。
シェアも2021年10月に3位に陥落していますが、一時はASUSを抜いて1位に。
docomo・ソフトバンク・auみたいなものです。
マザーボードのRMA率(返品保証率)みたいなデータを複数検証したものはありません。
ちなみに僕は一つ前のマザボがASRockでした。
が、2年使用後故障で売却できませんでした。
でも壊れやすいか、評判が良いかは、個体差もありますし、体感でしか分かりません。
実は故障率が低くても、たまたま有名youtuberに不良品が渡ればそれだけ印象が悪くなります。
だから考えるだけ無駄なのです。
…というのが、僕の意見。
ASRock公式ツイートによると、一番消耗するパーツの耐久性が250%高い物が使われているとのこと。
みなさんは様々な情報を加味して選択するのが良いと思います。
ASRockとASUSとの違いはあるの?
じゃASRockはASUSはほとんど比較のしようがないのか。
実は区分けはあります。
ASRockの方がコスパが良いメーカー
1つはASRockの方がASUS比較で安いメーカーだということです。
元々信頼と品質を売りにしていたASUSに対し、
ASRockは安さを売りにしていた経緯があります。
しかし、ここ最近は品質にも力を入れ、ASUSよりも安く、品質も同等近くというポジションを確立しました。
2021年初期にASUSを抜いてマザボシェア1位を獲得したのはそういった背景があります。
ASRockにNvidiaのグラボはない
もう1つ、こちらの方が重要ですがASRockはNvidiaのグラボを販売していません。
原因は分からなかったのですが、Nvidiaからチップが供給されていないそうです。
通常、グラボとマザーボードはメーカー違いでも問題ありません。
が、RGBでピカピカに光らせるゲーミングPCっぽさを出すなら、同一メーカーの方がコントロールが利きやすいです。
もしNvidiaを選ぶなら、わざわざASRock製マザボを選ぶメリットが減ります。
(僕は見た目どうでも良い派なので、ASUSマザボ&MSIグラボを使用していますが…)
結局どんな人がASRockマザボがおすすめ?
結論、AMD派の人。
もしくは、メーカー統一を気にしない人。
その中でコスパを追求する人がASRockを買う人です。
マザーボードは性能差が体感で分かりづらいため、むしろそれほどこだわらず、CPUやグラボに金を使った方が効率的かもしれません。
ASRockはグラボが比較的廉価な場合が多いです。
特にこだわりがなければ、ASRockでマザボとグラボで組み合わせるのがベストでしょう。