グラボ・マザボのメーカー別故障率のデータが最近でました。買ってはいけないグラフィックボードメーカー・マザーボードメーカーの参考になります。
グラボ・マザボメーカー故障率。買ってはいけないグラボ&マザボメーカーは?
グラボのメーカー別故障率(返品保証率)
スイスの大手小売店のデータ
こちらはスイスの大手小売店が公開したデータです。Gainward 0.4%、Palit 0.7%、Pny 0.8%、Inno3D 0.9%…と続きます。
あくまでデータはデータです。一部の国の一部の小売店では「ああこんな感じなんだな」くらいにとどめてください。とはいえ、RMA率のデータって少ないので貴重ではあります。
グラボメーカー 保証統計 23/08時点
(太字は日本で個人向け発売があるメーカー) (EVGAは販売終了) (KFA2は現在のGalax)
過去2年間のデータであり、少なくとも300枚以上のグラフィックカードをサンプルとしているようです。
聞きなれないと思いますが、KFA2は玄人志向のOEM元もしていたと噂されるGalaxyと統合して現在のGalaxになりました。Galaxは玄人志向とGarakuroというブランド立てているので、分類としては玄人志向?って感じです。(まあGalaxyも大元はPalitらしいので人類みな兄弟みたいなもん)
意外だったのが、廉価メーカーであるGainwardやPalitが低かったことです。また、最近日本にやってきたPNY、高品質を謡うグラボメーカーであるELSAのOEM元であるInno3Dも低い部類に入ります。
一方で、GigabyteやASRockが高かったことも予想外です。
ASUSは価格が高い部類に入りますが、保証統計的には真ん中でちょっと微妙といったところでしょう。100台買えば1,2台は故障を抱えているわけですから。
グラボメーカー 保証統計 23/01時点
(太字は日本で個人向け発売があるメーカー) (EVGAは販売終了) (KFA2は現在のGalax)
こちらは半年前に行われたデータです。
着目すべきはASRock。半年後には2%以上だった保証割合は、この時点では0.3%と非常に低いです。
この間に発売されたモデルが悪かったという話なのか、データ上の差異なのかは分かりません。
ASRock以外のメーカーはほぼ一定の数値です。
大きく離れていないということは、データの信用性が結構高いのでは?と思える要素です。
ここだけ見ると不具合に当たりづらいメーカーはPalit、Gainward、PNY、Inno3Dあたりということになります。
ただし、PNYはプロ用グラフィックカードが市場の主体であるため、不具合が少ないのだと考えられています。もちろんサンプルにどのカードが使われてたか分からないので、何とも言えません。
一方で、Sapphireは安いなりというか、比較的高いということになります。
ASUSは価格を考えると「うーん」という感じ。
Gigabyteに至っては「えーマジか」という感じです。
2%はさすがに高いです。100台買ってハズレ引くか、50台買ってハズレ引くかの違いは結構大きいはずです。
ついでですが、返品時、サポートセンター到着からユーザーに届くまでの期間のデータもあります。
面白いデータですが、スイス国内に限ったことなので、話のタネくらいに見てみてください。
ドイツの大手小売店のデータ
データが一つだけだと良く分からないと思うので、別口のデータもあります。ドイツ小売店のRMA率です。
といっても、ちょっと内容が古いので、こちらも参考程度に見ておいてください。
まずNvidiaのデータです。基本ドイツにないメーカーはないと思ってください。
ここだけ見ると、Palitの数値が最も高いです。一方でスイスのデータで低かったGigabyteは最小値です。
唯一どちらも低い値なのがPNYです。
次にAMDです。
こちらはASRockとMSIが最小値。PowerColorが最大で、なんと6%です。
スイスのデータでは最も高い数値を記録していたSapphireはこちらではなんと最小値の2%
こうやってみると、なんだかよく分からなくなってきます。
NVIDIA (RMA %)
ベンダー | 出荷 | RMA # | RMA % |
---|---|---|---|
Gainward | 4050 | 107 | 3 |
Gigabyte | 16870 | 349 | 2 |
KFA2 | 20040 | 374 | 2 |
MSI | 28680 | 570 | 2 |
Palit | 4010 | 166 | 4 |
PNY | 460 | 8 | 2 |
Zotac | 2170 | 34 | 2 |
Total: | 76280 | 1607 | 2 |
AMD Radeon 5000 Series (RMA %)
ベンダー | 出荷 | RMA # | RMA % |
---|---|---|---|
ASRock | 2520 | 48 | 2 |
Gigabyte | 5990 | 176 | 3 |
MSI | 7280 | 145 | 2 |
PowerColor | 11870 | 663 | 6 |
Sapphire | 13700 | 321 | 2 |
XFX | 2740 | 98 | 4 |
Total: | 44100 | 1452 | 3 |
もちろん、メーカーの規模も違うので、各々出荷台数は違います。
多ければ多いほどデータも正確になっていくもので、優秀そうに見えたPNYはサンプルの数が圧倒的に少ないです。3万台近くサンプルが存在するMSIと比べると、やはりデータの正確さが劣るのは間違いありません。
これはスイスの小売店のデータもしかりです。大手メーカーと廉価メーカーではサンプルに差があります。
大手メーカーになるほど出荷台数も増え、正確なデータになるはずです。
フィリピンの小売店のデータ
こちらは2023/01時にはじき出された4年にわたるデータです。
上記2つと比べると非常に小さい規模ですが、そのへんにあるお店が算出したデータって結構興味深いものがあります。
メーカーはGigabyteとMSIしかありませんが、ここでもGigabyteは高い数値になっています。というか、150台近くのうち7台も不具合があってって、さすがに多すぎ…という印象を受けるかもしれません。
もちろんサンプル数が少ないので、たまたまという可能性もあるんですけどね。
余談ですが僕は以前フィリピンに住んでたことがありまして、この国はamazonがありませんでした。あるのはLazadaという東南アジア向け通販サイトで、届くのに時間もかかるし保証も面倒なタイプ。高額品を買うとき通販は避けて店舗に行く傾向があります。
(amazonに全振りできる日本ってなんて幸せなんでしょう)
各グラボメーカーの保証期間
返品保証率も大事ですが、保証期間はもっと大事です。
0.数%保証割合が高くても、保証期間が長ければそっちの方が実利があります。小売店が出したデータは確定事項ではありませんが、保証期間は確定的なものだからです。
メーカー | 期間 | その他 | 電話サポート |
---|---|---|---|
ASUS | 1年 | 〇 | |
MSI | 1年 | 〇 | |
GIGABYTE | 2年 or 4年 | モデルによる | 〇 |
ZOTAC | 1年間 | × | |
GALAKURO GAMING (玄人志向×GALAX) | 1年 or 3年 | GALAKURO GAMINGは3年間 一部のGALAX、玄人志向ブランドは1年間保証 | × |
ELSA | 2年 | 〇 | |
Palit | 1年 | △ | |
GAINWARD | 1年 | × | |
PNY | 3年 | モデル、販売期間、代理店による | × |
ASRock | 2年 | 〇 | |
SAPPHIRE | 1年 or 2年 | モデル、販売期間による | × |
PowerColor | 1年 or 2年 2018年6月30日以降2年 それ以前→1年 | モデル、販売期間による | × |
保証期間が長いのがPNYです。モデルによってはGigabyteやGALAKUROです。
Palitはメーカーの公式サイトを見ても英語の電話対応しかありませんが、ここはドスパラから買うでしょうから、そっちが対応してくれます。
数値だけを見るならPNYはどこでも優秀ですが、問い合わせ窓口はアジア圏サポートしかありません。多分日本語で送ってもなんとかなるでしょうが、人によってはちょっとヤキモキするかもしれません。
といっても、代理店のアスクに連絡しろみたいなこと言われると思うので、結局のところあまり関係ないかもしれません。ほとんどのグラボやらパーツは、代理店に電話してそこの保証規定に従うことになります。
マザボのメーカー別故障率(返品保証率)
スイスの小売店のデータ
マザーボードメーカーの返品保証率です。
予想通りというか、4大メーカーは全体的にほぼ変わりません。データ通りであれば、安心して好きなメーカーを買ってくださいと言えます。
NZXTは日本では主流ではないですが、デザイン面で尖っていてちょっと気になっていたのでデータがなくて残念です。
Biostarは格安マザボだし、むしろマシな方なんじゃないでしょうか。
Supermicroって聞きなれないメーカーだと思いますが、こちらはワークステーション向け。いわゆる法人向けです。あまり関りはないかもしれません。でも、法人向けでこの数値ってやばくないか?とは思います。
Biostarより下なのかよって感じです。
同じくサポセンに到着してから届くまでの日数です。こちらもあくまでスイスでの話なので、ネタとしてみてください。
パッと目につくのはやはりBiostar。なんと0日。
「やったぜさすが俺たちのBiostar!」と言いたいところですが、修理ではなく、交換か返金対応となるためらしいです。
返金はともかく、郵送する場合に交換で0日っておかしくね?と思うのですが、多分みんな返金を選ぶってことなんでしょうか。もしくは店舗交換とか。そっちのが早いし。
最低値なのがASRockで、平均13日かかるようです。
フィリピンの小売店のデータ
先ほどのフィリピン小売店のマザボメーカーごとのデータです。まあ似たようなものです。
後述しますが、この方たちは他パーツの返品保証率も出してくれてます。
各マザボメーカーの保証期間
NZXTにおいては、各代理店に問い合わせろという形です。なので、購入したショップにより異なります。
4大メーカーは電話対応有、格安メーカーのBiostarはメール対応のみのようです。ただし、期限内に製品登録すると5年まで保証が延びます。
電源・CPUクーラー・メモリのメーカー別故障率(返品保証率)
電源ユニット RMA率:
メーカー | 販売台数 | RMA | RMA(%) |
---|---|---|---|
Corsair | 451 | 1 | 0.22% |
DeepCool | 46 | 0 | 0% |
Cooler Master | 157 | 3 | 2.0% |
Seasonic | 644 | 12 | 1.8% |
CPUクーラー RMA率:
メモリ RMA率:
(出典 Hardware Suger)
サンプル数が圧倒的に少ないので、こちらもネタとして見てください。
まず電源ですが、Seasonicは日本ではオウルテックの名前で販売されることもあります。というか、オウルテックの方が日本には馴染みのある名前でしょう。
CorsairとDeepCoolはほとんど不具合が検出されず。特にCorsairは500個近くもサンプルがありながら、わずかに1つ検出されただけ。普通にすごいですね。
それからCPUクーラーですが、やはりDeepCool強しという感じ。NZXTはたった150台ほどのサンプルから6台も検出されたようです。
メモリに関しては元々不具合とか故障とか起きづらいものなので、「ま、どれでもいっか」という感じです。
基本はRMA率見るより保証期間見た方がいい。RMAは参考程度
当たり前ですが、RMA率は完全ではありません。
たまたま不具合品が寄っていた可能性も捨てきれませんし、メーカーによってサンプル数が違います。
実用性の面では低いと言わざるを得ません。
ただ見ていて結構楽しいし、話のネタにもなるので、おさえておいて損はないです。
実利を取りたい人は、むしろ保証期間を見た方が良いです。次にサポート体制。公式サイトの問い合わせページを開けば大体分かります。
電話対応はあるか、日本専用の窓口はあるか、サイトが中国語フォントの日本語になっていないかとか見とけば、どういう対応をされるか予想がつくでしょう。
心配ならASUSとか大手メーカーを買っとけば大丈夫ですし、価格を優先したいなら廉価メーカーを買っても問題ありません。