先日intelデスクトップCPUの14世代が発売しました。まだローエンドは出ていませんが、現状未来の見えないCPU。期待してた人は、「うわ14世代待つべきじゃなかったわ」という思いでしょう。
(2023/10/28時点情報)
この記事の結論
- 14世代・13世代の変更点は基本クロック値のみ
- ほとんど変わってないので、基本13世代で良い
- 700番台は唯一希望が持てそう
intel14世代13世代CPU性能の違いを比較。14世代待つべきじゃなかった

データ見た時点でがっかりする人は多いと思うんですが、passmark上のスコアで600番台は13・14世代でも差がありません。900番台もあまり変化はありませんが、一応微増。上がり幅では700番台が一番良いです。
また、コア数においても900と600は変わっていません。唯一700だけが16コア→20コアへと増加しています。
700Kはわりと希望が持てそうだけど、他は微妙じゃね?って気持ちになるかもしれません。
14世代の役割は価格の細分化。14上位・13下位モデル的な

(14400は2024年発売予定)
14世代は価格も性能も13世代と近いです。じゃあ14世代は無意味なのかというと、一応意味はあります。
14世代は13世代に比べ、1~2万円くらい高いです。(初値差は数千円くらい)
なので、自分が欲しい予算帯の中で上位なら14世代、下位なら13世代って感じで選ぶことができます。
さらに5,000円差でK付き or 無印って感じです。
選び方としては、13世代か14世代かっていうより、以下のようになります。

選び方の順番
- 何番台
- 世代
- K付 or 無印
まず自分の予算で何番台が欲しいかを決めます。それから上位が良いなら14世代、下位なら13世代です。最後に、OCしたり消費電力が増えても性能を上げたい人はK付を選びます。
で、問題は14世代を選ぶとどのくらい優位があるかって話です。

i9-14900K | i7-14700K | i5-14600K | |
---|---|---|---|
定格 | 3.2GHz | 3.4GHz | 3.5GHz |
最大 | 6GHz | 5.6GHz | 5.3GHz |
コア スレッド | 24C 32T | 20C 28T | 14C 20T |
Pコア | 8 | 8 | 6 |
Eコア | 16 | 12 | 8 |
キャッシュ | 36MB | 33MB | 24MB |
TDP | 125W | 125W | 125W |
結論、700番台以外はコア数が変わらないので、13世代選ぶ方がコスパは良いです。
14世代で違うのはクロック値です。14900Kは13900KSと同じ最大6GHzまでいく模様。
ただしコア、ベースクロック、キャッシュなどの値は同じです。ほとんどの方は6GHzなんて目指しませんし、普通に13世代でいいじゃんってなるでしょう。
各番数モデルの比較
- 900番台 → 13世代で良い
- 700番台 → 検討の余地有。
- 600番台 → 13世代で良い。(特に)
(価格は2023/10/29時点)
900番台

14900K | 13900K | 13900 | |
---|---|---|---|
スコア | 62696 | 60007 | 49382 |
コア | P8+E16 | P8+E16 | P8+E16 |
TDP | 125W | 125W | 65W |
定格 | 3.2GHz | 3.0GHz | 2.0GHz |
最大 | 6.0GHz | 5.8GHz | 5.6GHz |
価格 | ¥108,700 | ¥88,869 | ¥89,427 |
14・13世代では約2万円の差があります。あと、13900無印がなぜかK付より価格が高いです。(多分そのうち解消されます)
passmarkスコアは微増。コア数も変化がなく、クロック値が定格・最大ともに0.2GHzだけ高くなっている感じ。
しばらくしたら価格差は埋まってくるかもしれませんが、現状14世代を買う意味はほぼありません。
もし、14900Kに近い性能が欲しいなら、むしろ13900KSとかの方が安いし良いチョイスかもしれません。
700番台

14700K | 13700K | 13700 | |
---|---|---|---|
スコア | 55068 | 46939 | 41772 |
コア | P8+E12 | P8+E8 | P8+E8 |
TDP | 125W | 125W | 65W |
定格 | 3.4GHz | 3.4GHz | 2.1GHz |
最大 | 5.6GHz | 5.4GHz | 5.2GHz |
価格 | ¥78,010 | ¥63,894 | ¥60,480 |
こちらも14・13世代で約2万弱ほど違うのですが、passmarkスコアはそれなりにアップしてます。
また、コアもEコアですが4つ多くなりました。

ちょうど価格的にも性能的にも13700Kと13900Kの中間地点になり、間を取りたい人向けと言えます。ちなみに僕も今回買ってみたのは14700Kです。
ただし、増えたのはあくまでEコアなので、ゲーム目的とかなら13700台でも良いと思います。
600番台
14600K | 13600K | |
---|---|---|
スコア | 40995 | 38510 |
コア | P6+E8 | P6+E8 |
TDP | 125W | 125W |
定格 | 3.5GHz | 3.5GHz |
最大 | 5.3GHz | 5.1GHz |
価格 | ¥55,240 | ¥48,880 |
(13600無印はありません)
はっきり言って、今回最も受け入れられないのが600番台です。
900はまだ最高を求めて買う人がいるでしょうが、600はスコアが全く伸びてない上、わずかですが価格だけはきっちり上乗せされています。
元々600Kはミドルハイの価格帯で需要もあり、毎回前回シリーズの900無印を超えてくる物だったので、ガッカリ感満載です。
どう考えても14600K買うなら、13600K買った方がいいです。
14世代にメリットはあるが薄い

14世代での主なメリットはこの二つです。
- マザーは600番台・700番台で使用可(要bios更新)
- APO追加
- Extreme Tuning UtilityにAIアシスト追加
古いマザーボードでも使える

メリットと言えるか分からないですが、古いマザーボードでも使えます。
マザボは新しいのが出ましたけど、別に関係ありません。今まで2世代ごとにソケットが変わっていましたし、今回も800番台なのかと思いきや、そうではないです。
え?じゃあ新発売のマザーの意義とは?僕も良く分かりません。
流れ的に新マザーでないと使えない空気はあったんですけどね。ハイエンド版ばかりなうえ、価格もめちゃめちゃ高いので無視して良いです。
APOはすごい気がするけど…やっぱ微妙かも

あとはAPO。Intel Application Optimizasionのことで、14世代のみ使えて、フレームレートの向上が見込めます。
現在は『レインボーシックス シージ』や『メトロ エクソダス』の2ゲームで対応。内容としては、PコアとEコアの処理を適切に振ってくれる、というものです。
Pコアは高性能コア、Eコアは高効率コア。ゲームなど重たい処理の物はPコアが重要とされていますが、Eコアに振られてしまうと処理が重くなってしまうのです。古いものや振り分けが雑なものだと、Pコアで処理すべきところをEコアに振ってたりすることがあります。
コアの振り分けを適切に行うことで、処理性能と省電性が上がります。インテル曰く、『レインボーシックス シージ』で13%、『メトロ エクソダス』では16%FPSが向上したらしいです。
ただし、元々コア振り分けできてるゲームに関しては意味ない可能性がありますし、対応していないゲームとかだと使えません。もっと言うと、ユーザーはやりたいゲームにコアを整理する余地があるのか分かりません。
正直これだけのためにわざわざ14世代買うのはどうかと思います。
Extreme Tuning Utilityで手軽にオーバークロック

Extreme Tuning UtilityはIntelというintel純正オーバークロックツールにAIアシストがつきました。
オーバークロックをAIに学習させて、初心者にも手軽にOCできるよ、という機能です。
出荷時点での対応CPUは14900Kと14900KFのみのようです。
しかし、初心者はそもそもオーバークロックする機会無いでしょうし、オーバークロックの重要性自体、昨今は薄れてきています。CPU性能がどんどん上がっているからです。
最高値とかどうでも良くて、むしろ高い性能を誇ったまま電力消費を抑えることを今の消費者は求めているんじゃないでしょうか(少なくとも僕はそうです)。
あとWifi7とかありますけど、現状使えないので省きます。また、Thunderbolt 5も対応しているという話でしたが、誤報だったようでデスクトップ版は対応していないらしいです。

価格は下がらなそう。13世代と性能が近すぎる

一般的には新発売したPC商品は数カ月すればいくらか落ち着くものです。また、旧モデルは価値を失って値段が急激に下がる場合もあります。
ですが、今回はどちらも期待できそうにありません。
まず14世代ですが、13世代と性能が近すぎます。14だけ下げるわけにもいかないし、いわゆる下がり幅みたいなものが狭いです。
さらに13世代ですが、こちらも恐らく下がりません。13の価格を大きく下げてしまうと、同等性能を誇る14の存在意義が消えます。
よって、価格が下がるとしたら14・13世代ともに下がると思うのですが、新モデルの登場によって期待される値下げは難しいように見えます。
ジリジリと時間をかけて下がるパターンじゃないでしょうか。ちょうどグラボのRTX4060台と3060台の関係性に近いかもしれません。価格も性能も近いので、みんな結局安い3060台買ってくよねという話。
「え?マジで14世代何しに来たの?」って思うかもしれませんが、僕も良く分かりません。
700番台は唯一希望が持てそう。逆に700番台以外は全目線13世代で問題ないはず


海外のサイトなんか見てると一番よく目にしたのが、”marketing slides”という言葉です。
プレゼン資料として大量のスライドを提示したintelなわけですが、結局のところほぼ変わってないので、一体この資料はなんなんだって話です。

で、恣意的なグラフでユーザーを惑わせてたはずなんですが、「マーケティング部頑張ってるよ!」「それが彼らの仕事だ!」と、なぜかマーケティング部が称賛されてました。いかがわしい宣伝も一周回ればポジティブ要素になるみたいです。
笑えますけど、正直言って現状で14世代に大きな期待をする意味はないです。
700Kとかは別にしても、ほとんどの人は13世代を買いましょう。
で、13世代を選択するとなると、12世代ならもっと安くできそうだけど…と思うかもしれません。さらにAMD Ryzenとどっちが良いかも比較したいでしょう。
そんな方は下記記事を参考にしてください。