iPhone15シリーズの総括
- 無印はほぼ進化してない。値下げの13や14でもいい
- proはデザイン面で向上。性能面は価格ほど向上はない
- コスパでAndroidに勝つのはきつい。今後もっとAndroidに流れそう
- ただしiPhoneユーザーなら15は買替のタイミング。今後大きな進化はなさそう
type-cになりiPhoneは完成形を迎えました。これ以上進化ポイントが見えないので、iPhoneオンリーの人は15が買替タイミング。一方、iPhoneの性能が天井状態で、androidのミドル帯とほぼ詰まってます。
(日常使い的な話がメインのため、サイズがでかいPlus・ProMaxには言及していません)
iPhone15無印とProのスペック比較
iPhone15 | iPhone15 Pro | |
---|---|---|
ディスプレイ | 6.1型有機EL | 6.1型有機EL |
画面解像度 | 2556×1179 | 2556×1179 |
プロセッサ | A16 Bionic | A17 Pro |
サイズ | 71.6×147.6 ×7.8mm | 70.6×146.6 ×8.25mm |
重量 | 171g | 187g |
カメラ | 48MP(広角) 12MP(超広角) (F値1.6、2.4) | 48MP(広角) 12MP(超広角) 12MP(望遠) (F値1.78、2.2、2.8) |
連続再生時間 (ビデオ) (ストリーミング) (音楽) | 20時間 16時間 80時間 | 23時間 20時間 75時間 |
先に言うと、実用的な進化はほとんどしていません。というか、ここ数年ほぼしてません。
が、今回Proに限っては買いたいと思える要素がいくつかあります。
iPhone15Proレビュー
iPhone15Proの進化ポイント
- Type-c対応。USB3使用可(ただ宣伝がちょっとむかつく)
- チタンデザイン
- 軽量化
- アクションボタンの追加
- ポートレートモード強化
- メインカメラはデフォルト12MPから24MPに変更
(太字はProのみの仕様)
Type-c対応。USB3使用可
散々ネタにされてたlightningですが、type-c対応発表でもネタになりました。
キャッチフレーズはブラックジョークとしか思えないのですが、「みんなうれしいUSB-C」。
いやいやあんたたちがケーブルのライセンス料とかで粘ってたんじゃんか。
しかも宣伝文句では"最大20倍高速"とうたっています。
「いやlightningからtype-c(USB3)になっただけじゃん笑」って話。
ようやく対応した良いポイントなんですけどね。appleって当たり前のことも適当なポジティブ感で宣伝してきます。
チタンデザイン
デザインは際立って向上しました。史上最もカッコイイiPhoneだと思います。ブルーチタニウム買ったんですが、欲を言えばもうちょっと青い方が好み。光の加減で黒く見えるんですよね。Pro版のみチタンデザイン。向上したのは軽量さと耐久性です。
じゃあスマホケース要らないのかって、変わったのは側面の部分だけです。
「というか、スマホケースするから側面のデザイン向上しても意味なくね?」って人。当たりです。意味ありません。なんだったらmagsafe使う人はQi給電のキモイマークが背面にあるので、色合いも台無しです。
けど軽量さはちゃんと残ります。
軽量化
新型は約20gほど前モデルから軽くなりました。
iPhone15 Pro → 187g
iPhone14 Pro → 206g
かなり軽くなりましたが、他のAndroid上位機種比較で言うと、別に軽い部類ではないです。
例えば、Galaxy S23なんかは同じ6.1インチで望遠も積んでますが168g。
「うーんまあ」という感じです。
iPhone15無印 → 171g
iPhone14無印 → 172g
ちなみに無印の方は前モデルとほぼ変わっていません。
アクションボタンの追加
ここがさまざまな機能を割り当てるカスタマイズボタンになりました。
カメラとかライトとか割り当てると便利そう。
誤タッチ怖いと思うんですが、一応長押しじゃないと発動しないので大丈夫だとは思います。
ポートレートモード強化
人、犬、猫がいる時や自分がフォーカスした場合、モード切り替え不要でポートレート撮影ができるようになりました。
AI機械学習で自動で深度情報を取得をしているらしく、後からの編集できる幅が広がりました。
メインカメラはデフォルト12MPから24MPに変更
画素数は10万画素あれば十分です。多いとズームやトリミングしても細かい描写を保てます。
「デフォルト2400万画素?4800万画素(48MP)じゃないの?」って人。実はiPhoneは今まで1200万画素しか使ってませんでした。
4800万画素を使わない理由は、画素が「光を送ってくれなきゃ輝けない」と言ってる粒粒みたいなものだから。
高画素ほど細かい描写ができるものの多くの光量が必要。足りないとノイズになります。光量(センサーの大きさ)と画素数はバランス関係にあるわけですね。
スマホはセンサーサイズが小さいので、「1200万画素くらいが十分に光を取り込める」 → 「じゃ4つのピクセルを1つにしよう」としていました。
今回iPhone15では”Photonic Engine”という画像処理技術が改良。4つのピクセルを2つとして使うことに。
「じゃ画素数上げられるよね」「ズームするときも綺麗だしね」「でもファイルサイズも気を遣いたいよね」の流れで、2400万画素になりました。
4800万画素って使えないのか。実はProRawモードで使用できます。ただファイルサイズが10倍くらいでかいです。RAW→HEIF(ヒーフ)形式にすると小容量でいけます。でも前述の理由で、無理して4800万画素にする必要性は感じません。
簡潔に言うと、1200万画素による低ノイズ、4800万画素の高ディテール、2400万画素の適度なファイルサイズをいい感じにまとめといたよ、という感じです。
体感どうでも良さそうな進化ポイント(個人感)
- CPU強化&GPU(レイトレ)強化
- ProResで4K60FPS 撮影可能(外部ストレージ必要)
- Vision Pro用の空間ビデオ(アップデート後対応)
- Wi-Fi 6E対応
上記も進化ポイントですが、体感できなかったり使わなそうだなと思った機能です。
CPUもGPUも元々オーバースペック気味だったためこれ以上不要。
ProResはappleが提供しているコーデックで情報量が多いのが特徴ですが、動画投稿者しか使わない機能ですし、Davinci Resolveとかは使用できません(有料のコンバーターあれば可能だけど払わないし)。
Vision Proは空間ビデオ撮影できるものですが、限られた人しか使わないし、Wi-Fi 6Eも対応したルーターがないと意味ないので、まだ使わないかなという感じです。
売却まで考えたらProの方が費用帯効果は高い
どうせiPhoneは高額で売れるし、それなら存分に最新のものを使った方がお得です。
初期費用ではProの方が高くなるでしょうが、良い機能をどんどん乗り換えた方が最新のものを使い続けられます。
じゃPro買っとけば、というのが僕の意見。
一方、無印より35,000円高いので、このへんに価値を見出すかがモデルを選ぶ指標になります。
iPhone15Proと無印の違い。比較してどっち買うか
無印は前モデルのPro版(のグレードダウン)を安く買えるモデルです。毎度進化するのはPro版のみ。
(なので無印はPro比較何がないのかだけ見ればOK)
無印がPro版に劣る点
- USB2.0(Proは3.1)
- デザインは前モデルのまま
- 望遠・マクロ撮影不可
- 60Hz (Proは120Hz)
- 常時点灯ディスプレイ無
- バッテリー駆動時間はやや少ない
- 手振れ補正は劣る(かも)。Proは第二世代センサーシフト。無印は初代
- Log撮影機能無
(太字は個人的に決め手になった箇所)
最大のガッカリポイントはUSB2.0なことです。これはlightningと転送速度が変わっていません。
appleによる嫌がらせ説もありますが、実はいやがらせでもなく、事前に予測できたこととも言えます。
今回Pro版に搭載されている新SoCのA17 ProにはUSB3コントローラーが組み込まれました。
SoCというのはスマホで使われてるCPUやGPU等をひとまとめにしたチップです。
過去作のA16はUSB2の技術で組まれていて、同じ480MbpsであるLightningの時に使われてました。
無印を上位機種と同じにするわけにはいかないので、A16で最大480Mbps、つまりUSB2というわけです。
「あれiPadは5GMbpsだったじゃん?」って話ですが、あのへんはSoCの他にUSB 3やThunderboltのコントローラーが搭載されていた模様です。今回は内蔵する形になったので、A16を流用した無印は2.0のままです。
考えようによっては、iPhone16無印にはA17が積まれるでしょうから、恐らく次はUSB3になるよという話かもしれません。
無印がProと同等の点
- メインカメラ48MP(デフォルト1200万画素 → 2400万画素に変更)
- ダイナミックアイランド(正直マイナスポイント)
(前モデルとの変更点)
一眼レフでも最近は超高画素で撮影して、「あとでぶっこぬこうぜ」みたいな風潮があるらしいです。レンズが取り替えられないスマホはその考えに寄ってきてる感あります。
あと、正直ダイナミックアイランドいらないので、ない方が無印の差別化はできたと思います。
が、今回から無印にも搭載。実質マイナスポイント。上部に張り付いていてくれた方が邪魔にならないですし。
無印がProに勝る点
- カラーバリエーションが多い
- 重量は無印が15gくらい少ない
- 価格が安い(35,000円の差額)
- バッテリー
Pro版は結構お堅い色しかありません。まあチタンなので黄色とか緑とかキモイだろって話かもしれません。
無印の方は色が豊富なので、選びやすいと思います。
また、重量が軽いのは無印の特権ですね。望遠カメラない分。
あと、なぜか15は無印の方がバッテリー良い説あります。
無印は根本的な問題が半分しか解決していない
iPhone15では無印もProも念願のUSB type-cになりました。が、先にも述べた理由で無印はUSB 2です。
そもそもなぜlightningケーブルが批判されていたかというと、
- lightningケーブルが余分に必要。世界はtype-cで回っている
- 転送速度が遅い
今回のusb2.0は問題が片方しか解決されていないことになります。
もちろん人によっては転送はairdropだからいいやって話かもしれません。
が、せっかく4K動画や2.8Kのアクションモード(手振れ補正強いやつ)があるのに、有線じゃないと遅すぎて送れないんですよね。結果、動画撮る人は「無印ないわー」ってなります。
具体的にUSB 2.0はどのくらい遅いのかというと、乗り物に例えた例があります。
つまり無印買うような貧乏人は"自転車乗れ"ということ。
結局無印は前モデルのproを安く買えるだけのモデルなので、買取価格が高いiPhoneは別にProでいいじゃんって話です。
(ここまで計算して高額なproを選択させてる感もありますが)
15無印なら、正直値下がりした13や14でもそんな変わんない
カメラは48MPになったとはいえ、見栄え的には変わらないし、ズームしないなら意味ありません。
ここを妥協できるなら、前モデルが値下がりしたのでそっちでもいいでしょう。13なんか10万円以下で買えます。
ダイナミックアイランドとか邪魔なものもないですし。
各無印モデル スペック比較
15無印 | 14無印 | 13無印 | |
---|---|---|---|
サイズ | 右に同じ | 横:71.5mm 縦:146.7mm 厚さ:7.80mm | 横:71.5mm 縦:146.7mm 厚さ:7.65mm |
重量 | 171g | 172g | 173g |
カメラ | 広角 48MP 超広角 12MP | 広角+超広角 (12MP) | 広角+超広角 (12MP) |
ディスプレイ | 右に同じ | 6.1インチ 有機EL 2,532 x 1,170 | 6.1インチ 有機EL 2,532 x 1,170 |
バッテリー容量 (非公式) | 3,349mAh | 3,279mAh | 3,227mAh |
RAM(非公式) | 右に同じ | 6GB | 4GB |
価格 | 124,800円~ | 112,800円~ | 95,800円~ |
基本的に11 → 12で大きな軽量化が行われ、以降はそれほど大きな進化がありません。
せいぜいSoCが変わったくらい。
今回は大きな違いがあり、カメラ性能が12MP → 48MPに変わり、type-cになったため話題性は大きいですが、実際何万の価値があるかと言われれば疑問です。
iPhone14の値下げ幅(15発売時)
値下げ前 | 値下げ後 | |
---|---|---|
128GB | 11万9800円 | 11万2800円 |
256GB | 13万4800円 | 12万7800円 |
512GB | 16万4800円 | 15万7800円 |
iPhone13の値下げ幅(15発売時)
値下げ前 | 値下げ後 | |
---|---|---|
128GB | 10万7800円 | 9万5800円 |
256GB | 12万2800円 | 11万800円 |
512GB | 15万2800円 | 14万800円 |
なお、14Proや13miniはサイトから消えているため、終売する模様です。
iPhone15ProのAntutuやGeekbench ベンチマーク
Antutu Ver10ベンチマーク
総合:約50万点以上
GPU:約18万点以上
一般的には上記を超えていれば普通に快適に使えるレベルです。
iPhone15ProのA17Proは146,6658点。他の人の見ても150万そこそこなので、こんなものだと思います。これ以上いらねーだろって話。
Geekbench 5.1-5.4 ベンチマークの目安
シングル 2917
マルチ 7434
プロセッサ | シングル | マルチ | 端末例 |
---|---|---|---|
A17 Pro | 2917 | 7434 | iPhone15 Pro |
A16 Bionic | 2517 | 5468 | iPhone14 |
A15 Bionic | 2265 | 4818 | iPhone13 |
A14 Bionic | 1593 | 4160 | iPhone 12 |
Tensor G2 | 1049 | 3243 | Pixel7a/Pro |
Snapdragon780 5G | 809 | 2998 | Mi 11 Lite 5G |
Tensor | 1038 | 2828 | Pixel6 |
antutuと同じでゲームを激しくやる人以外はそこまで気にしなくていいです。
ただA17 ProとTensor G2を比較すると、Aシリーズはシングルスコアが強いのでゲームでのサクサク感は結構違います。一方、ブラウジング程度では微妙なさじ加減でしょう。正直google Pixel旧モデルに積まれてるTensor1でも日常使いには困りません。
使い方によっては、一般層にとってスマホのプロセッサはオーバースペック状態です。
カメラ性能と写真サンプル
全体的に加工されてる感とかビビッドが強いと言われるiPhoneですが、おおよそその通りだと思います。ちょっと黄色味が強いです。
ただ高価格帯のカメラだけあって明暗差が求められるHDR写真は結構良く取れています。
空の青さや雲の白さは結構濃いです。
白飛びして全体的にもやーんとした感じとかはなく、割と現実に近い感覚の画像になりました。
Androidとの比較。コスパでは完敗だが、iPhoneが優れている点もある
iPhoneが他Androidに優れている点
- 顔認証は優秀。マスク有でも夜間でもできる
- 手振れ補正は強い。アクティブ手振れ補正も2.8Kで撮れる
- apple製品たちとの連携力
- 発熱を感じずらい
- サポートが体系的
iPhoneは設計上、手に持つ部分が熱くならないようになっています。
サポートも個人的に良い印象を受けています。他の人は知りません。
iPhoneが他Androidに劣る点
- スペック比較のコスパ
- 指紋認証がある
- ツインアプリがない
- 外部ストレージ不可
恐らくiPhone16は指紋認証が入ってくるのではないでしょうか。そろそろ目玉にするものがなくなってきました。
appleユーザーならandroid乗り換え時期かも
不思議なもので、youtuberって動画作りを見ればその人がappleかandroid(or window)派かが分かります。
apple愛用してるyoutuberってデザイン重視というか、お洒落なOP入れたりlofi BGM入れたり、型を大事にするというか統一感を出そうとします。(あとサムネがなぜか白枠白字好きな人多い)
一方でandoroidやwindows派の人って効率性重視。パッパッパって感じで必要情報を詰め込んでくる動画です。僕はandroid派の動画。で、実際にandoroid window派閥です。
どっちが良いとかではなく感性の問題で、結局この人たちが分かり合うことはないでしょう。
要は自分がどっちを大事にするか。youtubeでiPhone騒がれているからって買うというより、自分はコスパ派だなと思ったらandroidにする方が幸せになれるでしょうって話です。
操作上の不満は起きるでしょうが、このへんは慣れです。もし使って慣れなければまた戻せばいいのです。
ただしapple製品で生活を固めている人はおすすめしません。apple最大の魅力は自社製品で固めること。失うデメリットはandroid単体のコスパより失うものがでかいでしょう。
結論 買うならPro。コスパ層は型落ちiPhoneかいっそAndroid
- iPhone買うならiPhone15 Pro買え
- Proにメリット感じずlightningでもいいなら、13や14のがコスパは良い
- コスパ派や必要十分層はandroid乗換時期になりつつある。おすすめはPixel
結局、実用的な進化をあまりしてない無印買うなら、デザイン含め大きく変わったPro版を買うのがおすすめです。
スマホ全体の見通しとしては、iPhoneですら性能の向上は見込めない状況です。
高級機種が天井にぶつかるということは、ミドル帯が詰まってくるということ。
それなりにスマホが使えれば良い層は、今後もっとAndroidに流れていくんじゃないでしょうか。
余談ですが、スマホケースと保護フィルムは下記を買いました。
PDA工房のフィルムは指の滑りめっちゃ良くておすすめ。magsafe用ケースは知ってるメーカーの中で安いやつを買っただけですが、無難に使えてます。